一人インターネット老人会
20代後半の俺が大体デジタル世代初期。
て、考えるとテクノロジーの発達するスピードが物凄い。何を今更と言われるかもしれないけど。
約30年でここまで生活が変わった時代って、今まであったんだろうか。
俺が小学校一年生の時に家に来たのは、当時最新のWindows95だった、60万だ。クソ高い。しかも超低スペック。当時は最新なのだが。ネット回線はダイヤルアップで、安くなる時間帯を狙って使ってた。
ネットリテラシーとかも特になく(そもそもそんな考えが発達するほどコミュニティが大きくない)どちらかというとまだローカルな繋がりの要素が強かったと思う。
当時の雰囲気の例を出すと、、、。
例えばここに、県内に住む30代が集まる10人程度のコミュニティがある。そこのHPの背景色はイマイチいけてない感じの水色に上真ん中に太字のゴシック体で「○○県友の会」と書かれてる。
画像?そんなものは無い。トップページに画像を置いたらそれだけで表示に数分かかる、容量オーバーで読み込めない事も多いし、重いHPは嫌われるのだ。
それで、そこに集まって何をするかというと、酒を飲むのである。
インターネットというまだ普及していない最新の技術を使い、分厚いHTML図鑑を引きながら、慣れないキーボードで夜なべしてHPを作り、そこに集まった皆で酒を飲むのだ。植木等か。日本全国酒飲み音頭か。
そして週に一回、会報替わりのメルマガを送信するのだ。
なんというか、今の感覚だとひどい、まるで吉幾三の世界だ。インターネット「おらこんな村いやだ」か。
勘違いしないで欲しいのは、俺は別に馬鹿にしている訳じゃ無いという事だ。
当時のインターネットは、それだけローカルなものだったという事を伝えたいだけ。
持ってる人間の方が少ない時代で、更に少し前まではDOS画面にいちいちコマンドを打つコンピューターが当然だった時代だ。あの緑色のホームにフォルダが並んでる画面が凄かったのだ。
更に、インターネットを通じて見ず知らずの他人と出会える可能性、今後確実に発展していくであろう未来を感じさせる技術。オタク気質な人間が興奮しないはずがない。
そう、パソコンとインターネットはオタクの遊び場だったと思う。そして、ネットで出会った人間と集まって酒を飲むのも、ある意味ではネットの可能性を探る冒険だったのだ。離れ小島同士が貿易を始めるような感じだ。
これはSNSとかネットを介したコミュニケーションのど初期の形だと思うし、そういう企業や個人の、世界規模の冒険でネット社会は出来上がっていったんだと思う。
父は家具職人で、その頃ネットを使ったオーダーメイド家具の販売をしていた。ヤフーで家具と調べると、ヤフーの一ページ目には父のサイトしか無いような状態だったらしい。その後数年経って、企業も真似をし始めたそうだ。
その話の真偽はともかく、それだけ開拓の余地の広い場所だったという事だ。
俺はそんな父親を見ながら、神戸に住む女の子とメール友達になったり、小学校の自由研究を全てパソコンで編集して、ツーサイクルエンジンの基本的な動き方の図解を作ったりしてた。もちろん手伝ってもらって。
小5の頃にいた父のお弟子さんがオタクで、色々と際どい事を教わった。
6年生になって親元を離れた僕は親との通信手段も込みでノートパソコンを買ってもらった、回線はADSLだった。
そこからは真っ逆さまに2chだとか(VIPとオカ板である)ネトゲとかアニメだとかオフ会とか終いにはネカマまで手を染めつつも中三まで全く表に出さず普通に学生をやってた。黒歴史も沢山作った。前略プロフとか。
多分これが俺が出来る範囲のインターネット老人会だと思う。
これより古い所は、40歳以上じゃないとわからないんじゃ無いんだろうか。多分俺は父親の影響で、家庭を持った30代男性(今50代)の背中を何となく見ているが、当時20代のオタク気質な人はもっと面白い体験をしてるのでは、とも思う。
また、俺は当時6歳だったため間違いもあるかもしれない。そこら辺ご容赦を。
インターネット老人会ができるという事は、インターネットの歴史がそれだけ深まったという事だと思う。そして、更に加速的に進歩していくのだろう。100歳になったらどうなってるだろうか。
【感想】ゾンビボーイ生き返る
全身タトゥー ゾンビボーイを化粧で元の姿に
タトゥーで全身ゾンビの男が、プロのメイクの手によって生前(?)の姿に戻る動画。
コンシーラーとファンデーションすげえ。とか、生前くっそイケメン。とか色々あるんだけど、男が鏡の前で顔を拭う瞬間が凄まじく印象的だった。
これ、日常をゾンビタトゥーで過ごしてる男からすると、まさしく死からの復活の体験だと思うんですよね。
タトゥーって不可逆なものじゃないですか、基本的に。入れたら消せない。しかも全身です。
それ入れるって相当な覚悟だと思うんですよ。今までの体にお別れするわけですから。文字通り今生の別れです。
メイク中、ずっと鏡を睨みつけるように見ていていた男が、メイク後に見せる表情も印象的でした。とても自然な、生き生きとした表情でした。
後半、鏡の前に座り、目に焼き付けるように自分の表情を見つめる男。
おもむろに顔を拭くと頭蓋骨から透けた脳みそと真っ黒な目。
鏡を見つめたまま、ゾンビ男はニヤリと笑います。
彼この時、一体どんな気持ちだったんでしょうか。その時、胸中によぎった物はとても想像出来ませんが、見ていると胸をかきむしる様な切なさを感じました。
同時に、ニヤリと笑った表情はバッドマンのジョーカーみたいでカッコいい。
その後は早回しでファンデーションを落としてゾンビに戻る男の姿。
改めてファンデーションの凄さに驚愕です。
こうしてゾンビ男はメイク技術によって蘇り、また死の世界に還っていくのでした。
やってる事は単なるメイクすげえなんですが、やり方が凄い。
とても面白くて、なんてつーか業が深いです。見てる僕ら含めて。別に良いんですけど。
動画を見た後、何気なくコメント欄を見たんですが、「ご冥福をお祈りします」というコメントがありました。
ブラックで洒落たこと言うなあと思って返信を開いたらこの方、その後亡くなっていた様です。
ご冥福をお祈りします。どうか安らかに。